"スパースモデリング"

ブラックホールシャドウの撮像とデータ科学

ブラックホールシャドウの撮影とスパースモデリング

データ科学と天文学

最近,機械学習や人工知能といったデータ科学分野の進展が目覚ましい.この20年ほど,応用数学分野の理論的進展と計算機の処理能力の飛躍的な向上が相まって,データ解析の手法が発展した結果である.こうした新たなデータ処理の方法は産業を通じた社会への貢献だけでなく,自然科学の分野にも影響を及ぼしていくはずである.実際に生物学をはじめ,すでに大きな変化をした分野が存在する.本稿では,天文学において人工知能や機械学習,統計学などのデータ科学分野の手法が今後どのような役割を担っていくのか考えていく.

全状態探索による線形回帰のスパース変数選択

本研究では線形回帰におけるスパース変数選択を行うため,最適な説明変数の組合せがK-スパースであると仮定し,その説明変数の組合せについて網羅的に探索するK-スパース全状態探索(ES-K)法を行う.そして,ES-K法で得られた状態密度に対して,スパース変数選択の近似手法で得られた解をマッピングすることにより,これまで行われてきたスパース変数選択の緩和アプローチとサンプリングアプローチを統合することが可能であり,すべての近似的手法を評価できる.また,我々は説明変数の組合せ爆発に対しては,交換モンテカル …

スパースモデリングと天文学

X線自由電子レーザーによる分子の電子密度推定

米国,欧州,日本及び韓国ではX線自由電子レーザーと呼ばれる装置が開発され,米国,日本では運用段階にある.現在,この装置によって初めて可能となったX線領域の波長を持つ高強度レーザー光を用いた,様々な実験が計画および実施されている.本稿では,そうした実験のひとつ,X線回折を用いた生体単粒子の電子密度推定について説明し,2次元回折画像から2次元電子密度を推定する位相回復問題に対する我々の研究成果について解説する.

弱い回析パターンからの位相回復 単粒子構造解析に向けて

SPring8に建設された短パルスかつ大強度のコヒーレントX線源は、生体高分子など単粒子での構造解析が期待されている。しかし、この従来の10億倍の輝度を持つ光を照射すると粒子は破壊されてしまうため、そうなる前の短時間(数fs以内)に回折パターンを観測しなくてはならない。そのため、測定される回折強度は弱いものになってしまう。われわれは、従来の方法よりも粗い回折パターンから位相回復できるベイズ統計にもとづいたアルゴリズムを開発したので、本稿で紹介する。

スパースモデリングとベイズ統計

Sparse modelling is a new style of information processing which utilizes the sparsity of the information source. The framework is well formulated with the Bayesian statistics. We explain the Bayesian framework with some examples.